· 

スペイン国立バレエ団2015年公演の興奮を、もう一度!

アレント「ルス(光)」のシーンの画像
アレント「ルス(光)」のシーンより

恐るべきナハーロの才能

2015年10月~11月、スペイン国立バレエが日本公演を行い、

芸術監督ナハーロ自身による新作「アレント」を日本初演、観客を圧倒した!

佐々木涼子 Ryoko Sasaki

 

今回の来日公演のBプロ(※)は、スペイン国立バレエの両目を一新するような舞台だった。

 

粒ぞろいの迫力ある群舞、洗練されたフラメンコで以前から一際強い光芒を放ってはいたが、これほど強烈な個性や創造性を感じたことはない。弱冠四十歳の芸術監督アントニオ・ナハーロの才能恐るべし、である。

 

 

 

演目は今年6月にマドリッドで初演されたばかりの『サグアン』と『アレント』。

 

『サグアン』は四人のフラメンコ振付家の連作で、それゆえ場面ごとに作風は変わるが、華やかな衣裳をひるがえし、情熱的で激しいけれど、これほど洗練されているフラメンコは類がない。究極のフラメンコである。

 

驚いたのは次のナハーロ振付の『アレント』だ。装置というか衣裳というか、舞台演出のアイデアがじつに奇想に富んでいる。

 

燃え立つような群舞で開幕した後、舞台を覆い尽くす白い幕が下りてきた。その中央の小さな裂け目から女が、ついで男が頭を出し、上半身だけの踊りを見せる。ふたりが絡み、布に絡まれ、その動きにつれて舞台全面の幕も踊る。ふたりはやがて幕を抜け出て踊るのだが、それまでが胸苦しくも刺激的な時間だった。「ルス(光)」という場面である。

 

その次の「アニマス(魂)」も面白かった。たっぷり襞のついた長い裾を引いて、五人の女性ダンサーが妖艶に踊っている。と思ったら、その裾がするりと外れてマントになり、ショールになって頭上にはためいた。不思議な気分に包まれながらも、磨きぬかれた美意識にただ圧倒されて見ているばかりだった。

 

もはや、フラメンコの城には止まらず、それを大きく踏み出した新しいダンスである。新しいが決して根無し草のそれではなく、広範にして古い根を持つスペイン舞踊の土台を感じさせる。いままで見たこともない新しいダンスだ、と思ったすぐ後に、昔マドリッドで見たロマンティック・バレエの前身のような典雅なダンスを思い出させる動きがあったりする。過去と未来を縦横に飛翔する感じだ。

 

何より群舞が素晴らしい。一糸乱れずとはこのことと言わんばかりに揃って見えるが、よく見ると誰もが自分の感性を全開にして踊っていて、だから各人、微妙に形が違う。が全体で音楽の波に同調すると、素晴らしい調和になり、強烈なエネルギーを発散する。

 

それを見ていて、かつてロシア人のバレエ教師が書いた「スペイン人は血のなかに踊りを持って生まれるので、他人から教えてもらおうとは思っていない」という言葉を思い出した。その通り、皆が自分の踊りを踊っていた。

 

※2015年来日公演Bプログラム

アレント(新作・日本初演)

サグアン~新フラメンコ組曲(新作・日本初演)


スペイン国立バレエ団の2018年公演のお問合せは、チケットスペースまで!

※チケットスペースで、絶賛発売中です。スマートフォンでの予約は、上記電話番号をクリックしてください

スマートフォンの場合は、上記の「お問合せ」をタップすることで、お問合せ及びチケット予約が可能です。

月曜〜土曜:10:00〜12:00 / 13:00〜18::00(日曜日、祝日休み)

※チケット発売日及び公演開催の日曜・祝日は営業しております。